下北半島への旅(1)
五所川原、金木、そして青森へ
みちのくへ
首都高速道路を経由して東北自動車道を北上。お盆休みを外れていたため車は少なく、順調に進みました。車窓を流れる風景は知らない土地ばかり。沈む夕日が綺麗でした。空が暗くなり立ち寄ったサービスエリアでは車や外灯の明かりがあるにもかかわらず、星がとてもよく見えました。仮眠をとるつもりにしていたサービスエリアへも早い時間に着いたので、そのまま走り青森へ入り、弘前サービスエリアで仮眠をとりました。8月も終わりになるとさすがに涼しくなっていました。
みちのくの夜明け
夜明けのサービスエリアから見た空は広く、また前回はよく見ることが出来なかった津軽富士(岩木山)を望める場所があり、昨日までの生活とは全然違う場所にいるんだなとしみじみと感じていました。
遮光器土偶の駅
高速道路を降り五所川原を目指します。最初に向かったのはJR五能線の木造駅。ここの駅舎は遮光器土偶のしゃこちゃんがシンボルになっています。
立佞武多の館
途中の河原で岩木山を見ながら休憩し、立佞武多の館へ。ここには毎年夏に行われる立佞武多(たちねぷた)がそのまま展示されています。大きいもので20m以上もあるそうで、館内ではエレベーターに乗ってその頭の高さまで行くことが出来ます。大きさだけでなく造形もすごく迫力のある山車で、立佞武多を含め青森の夏祭り(青森ねぶた・弘前ねぷたなど)はどれも一度見てみたいものです。
太宰治の面影を感じて(金木町)
立佞武多の館をあとに、次は金木町を目指して北上します。このところ低気圧がよくきているそうで、風がとても強く、空は嵐を予感させました。
斜陽館の外観を見て、隣の食堂で昼食。近くの津軽三味線館で三味線の生演奏を聴きました。途中から屋根と地面を叩く大雨の音。建物を出る頃には小雨になり、そしてすぐ目の前にある、太宰治も子供の頃見たという地獄絵図のある雲祥寺へ。お堂でお参りをし、左手に飾ってある地獄絵図を拝観しました。静かな広いお堂で地獄絵を見ていると、またも突然大雨が降り出し、とても不思議な感じで、昨日までの喧騒は頭の隅からもなくなっていました。
川倉賽の河原地蔵尊
そして少し離れた所にある川倉賽の河原地蔵尊へもお参りに行きました。ここも霊場といわれ、亡くなった方を偲ぶ人の思いが形になってあらわれています。故人が生前着ていた服がかけられているのは恐山でもそうですが、未婚のまま亡くなった娘さんや息子さんを、せめてあの世で結婚させてあげたいと思う、そういう思いの込められた人形を見ていると、ことさら胸に迫るものがあります。
陸奥湾と青函連絡船
五所川原を離れ青森へ向かいます。県道2号線を東へ。地図には途中に滝があると書いてあり、山仕事をされていた方も一緒に探してくれたのですが見ることは出来ませんでした。陸奥湾の近くの道を走り、八甲田丸を見ようと港へと向かいました。
最初に間違えて着いた青森港フェリーターミナルでは、車を走らせることが出来ないほどの猛烈な豪雨。雨が弱くなったところで青森ベイブリッジを渡りましたが、橋の上も交差点も雨が大量に溜まっていました。青森港旅客船ターミナルへ向かい、アスパムと青森ベイブリッジを見ながら青函連絡船の八甲田丸へ歩いて向かいます。白と黄色に塗られた船体を見ながら往時に想いを馳せていると、そこでは津軽海峡冬景色の音楽が流れ続けていました。
北の方へ目をやると、明日向かう下北半島の方角にはかすかに虹が見え、雲に覆われた西の空では、鈍い色の海の上を船がゆっくりと進んでいきました。
青森市内の食堂で夕飯をとり、アスパムや橋はライトアップされているのかなと気になりましたが、雨も降っているようで、ホテルの部屋でパンフレットを見ているといつしか夢の中へ…。