エベレスト街道を歩く

パクディン~サガルマータ国立公園入口

行程(パクディン~サガルマータ国立公園入口)

トレッキング日和

 昨晩は霧が出ていて、星どころか近くの建物も霞んでいたが、今朝は一転快晴のトレッキング日和。今日はナムチェまで休憩を入れて約7時間の行程。

 朝は地元の食べ物だという揚げパンとパンケーキを食べ、身支度を整えて8時頃出発。

晴れた朝。朝日を浴びるコンデ(6,086m)?
揚げパン(左)とパンケーキの朝食
ナムチェへ向けて

吊り橋を渡る

 エベレスト街道のトレッキング中には川のこっち側を歩いたり向こう側を歩いたりし、そのたびに吊り橋を渡る。道はこの橋を渡るしかない。金属のワイヤーで丈夫に作られているが、上から吊っているのではなく、ただ川の上に渡しているだけなのでけっこう揺れる。橋全体が大きく揺れ、自分の体重でギシギシと上下に、さらに人が来ると細かく揺れるし、また風も強く、足下を見るとなかなか怖い。ゾッキョもこの橋を渡るが、 すれ違うことはできないので、その行列が通り過ぎるのを待つしかない。

吊り橋

 昨日と同じように山並みを見たり川を見たりしながら歩いていく。昨日は下る一方だったが、今日は少しずつ高度を上げ、後半はぐっと登る。途中にはちょっとした滝があり、また、たまに馬に乗った人ともすれ違った。

白く濁った川
日本のどこかと言われて間違えそうな景色
滝の前を馬に乗った人が通る

タムセルク

 街道の途中からはひときわ高い山、タムセルク(6,618m)が見えるようになってきた。山頂の方は白くなり、これまで見ていた山とは違う風格を感じる。日本の北アルプスの山々の倍かそれ以上の標高がある。タムセルクなどという山の名前はまったく知らなかったが、トレッキングの間何度もその名前を聞き、とても馴染みのある山になった。

タムセルクが見えるようになってきた
急な石段を上るところもある
川の流れとタムセルク
荷物を運ぶゾッキョ
Toktokにある滝

 滝のすぐ近くにあるロッジで休憩をする。人も多くにぎわっていた。タムセルクを見ながら紅茶を飲む。足元には犬が寝そべっていた。おそらく野良犬だと思うが、特に人に干渉してくることもなく、勝手気ままに過ごしているようだった。

滝の近くにあるロッジ(Hotel Waterfall)で休憩
(おそらく)野良犬
タムセルクを見ながら休憩

 今日もお経の書かれた大きな岩や塔をいくつも見る。そしてそれらの左側を歩いていく。

お経の書かれた岩と塔
吊り橋
吊り橋を渡ってくるポーター

 街道を歩いていくと小さな集落があらわれ、たまに橋を渡り、しばらくすると次の小さな集落が出てくる、という繰り返しだった。

谷底を流れる川と聖なる山クンビラ
ロバ
大勢の人数で歩いている人たちもいた
集落の向こうに見える、聖なる山クンビラ
岩に刻まれたお経と石垣
街道沿いの風景(岩山の上に建つ学校?)

サガルマータ国立公園へ

 ようやくサガルマータ国立公園へのゲートに着いた。ここでいろいろと手続きをしなければならないが、今回はガイドさんがすべてやってくれたので、彼が戻ってくるのを待つだけだった。手続きには時間がかかるようで、ここがトレッキングのボトルネックになるのかもしれない(ここより手前でも確か同じように手続きが必要な場所があった)。


サガルマータ国立公園の入口(ここで手続きが必要)。左の建物の前に人が集まっているのが見える
Welcome to Sagarmatha National Park World Heritage Natural Site (Estd. in 1976)

 サガルマータ国立公園へ続く門の内側には極彩色の仏画が描かれていた。ガイドにそれぞれの仏の名前を教えてもらい、確か釈迦如来や薬師如来、パドマサンバヴァや大黒天?などの名前もあったと思ったが、もう忘れてしまった。

 いよいよここから先が本格的に神々がおわす山域なのだという気持ちでマニ車を回し、門をくぐり抜けた。

ここから本格的に神々の山へと近づく
門の装飾
門の中の仏画とマニ車
 門の中の仏画
 門の中の仏画
 門の中の仏画

神々の山へ向かって

 出発してからそこそこ歩いたような気になっていたが、まだ3時間も経っていない。場所はジョルサレの少し手前。これからナムチェまで休憩を入れてあと4時間ほど。この門から少し下り、そこからナムチェまで700mほどの標高をいっきに登る。気のせいかもしれないが、ここまでは何となく雑然とした俗な感じがしていたが、門をくぐると周りの様子も雰囲気も変わってきた。