エベレスト街道を歩く
ルクラ~カトマンズ
テンジン・ヒラリー空港にて
朝、支度を整え、すぐ隣りにある空港へ向かう。多くの人で溢れかえり雑然としていた。2階の待合室では人の間を犬がうろうろしていたが、そのうちにやってきた警察官(?)に追い払われていた。
我々の乗る飛行機はまだしばらく来ないそうだが、空港で待機していろということなので、飛行機の離陸の様子などを窓から眺めていた。左の斜面の下の方から上がってきて、手前の広場で向きを変え、乗ってきた人と荷物を下ろして、再び人と荷物を乗せて飛んでいく。離陸とはいうけれど、谷底に向かって斜面を落ちていくという表現が、ひょっとしたら正しいのかもしれない。
飛行機の離陸の様子。1:30ころから明らかにエンジンの音が変わり、そのまま滑走路を下っていく。
飛行機でカトマンズへ
保安検査場などを通り、建物の下の階へ下りる。日も当たらず、待合室は寒い。ほどなく我々の乗る飛行機が到着した。急かされてあわてて外に出る。飛行機は綺麗な機体だ。荷物はすでに預けてあるので、人間だけ乗り込み、そして離陸。外があまり見えない座席だったので、周りがどうなっているのかよくわからないまま、いつの間にか飛び立っていた。その後もとくに機体が揺れることはなく、快適なフライトだった。
ヘリコプターよりもずいぶん早く、着陸も滑らかに、カトマンズへ戻ってきた。晴れて暖かく埃っぽい。バスに乗りぐるりと回り、空港の建物へと向かう。
エベレスト遥か遠く
あっという間にカトマンズへ戻ってきてしまった。ルクラとは気温も雰囲気もまるで違う。騒然とした街中をタクシーに揺られホテルに着き、部屋でゆっくりしていると、数時間前とはまるで別の世界に来てしまったかのようだ。
エベレスト、ローツェ、ヌプツェ、アマダブラム、タムセルク、聖なる山クンビラ…。ヒマラヤの山々は遥か遠く、天空の楽園にように見えたナムチェバザールももう記憶でしかない。
もし次の機会があるのなら、もう少しだけ神々のおわす山々の麓に近づいてみたいと思う。